電車の広告に「障害を持っていても働ける環境を」みたいな就労支援の広告があった。
障害はそうだし、病気や境遇、性別もあるだろう。「そういう人でも働ける社会を!社会進出を!」っていうのは確かに多様性のある社会なのだろうけど、一方で「そういう人でも働かなければならない。働けない人間に生活する、生きる価値はない」というメッセージも暗に送っているような気がするのだけど、性格が悪いだろうか。実際そんな風に思って、自分を追い詰めていく人も少なくないでしょう。
これまでは不遇だったが、頑張って正規雇用を勝ち取る。これまでは何も無かったが、努力して資格の勉強をして前よりいい仕事に就く。
良いこと、努力を賛美することの裏に、差別意識がべったりと張り付いているような気がしてならない。通常、何もしない人を肯定することは難しいように思う。皆があいつよりも、あの人よりも上を目指す結果、全体のハードルが上がる。ついていけない人が相対的に増えるのではないか。