一人舞台

落ちてしまいそうな自分を、どうにかこうにか支えている。

落ちてしまいそうな自分を、どうにかこうにか支えている。

人から天狗様へ

昨日の一件の憂さ晴らしを書くことにしよう。テレビを見ていたのにそれを妨害された挙句、とても不快な気分にさせられたのだ。

尤もこんなことに筆を進める自分自身悪趣味である。

 

彼はかつてはこういう事が勉強したいからと、遠くの大学へ進学し、真面目にやっている・・・はずだった。

ところがそれも最初だけで勉強についていけないのか、単位を落とし、次第に出席も減って、卒業を危ぶまれ親の呼び出しを食らうまでに至っていた。

「暇なんだからお前も来い!」と車で6時間程掛かる大学まで、自分も連行されました。

 

それに加え自分と同じく人付き合いもあまり得意な方ではないと思う。

何年か前にサークルでの集合写真を見せてもらったけど、隅の方でポツンとしていた。

そんなもんだから寮で一人でいることに少なからず寂しさもあったのかもしれない。

時々電話が掛かってくることがあった。

当時の・・・まあ上がったり下がったりした末、今もですが、順調にダメ人間街道を歩いていた自分とは、ダメ同士何か通じるものがあったのか話が盛り上がり、2時間でも3時間でもくだらない雑談に花を開かせていた。

あまり長時間会話を続けていくのは、キツイ事なんだけど、こういう感じならあってもいいかな。そう思えるような会話だった。

 

ある時当時サークルの先輩だった今の奥さんと知り合い、その人の叱咤激励で立ち直り、危ぶまれた大学を無事に卒業することができた。

その後結婚し、子供にも恵まれ、仕事も何度かの転職の末、あまり詳しくは聞いてないんだけど、結構優良な企業に就職し、所謂世間並の幸せ、勝ち組に属するようになった。と、そんな風に見えるがどうだろう。

それと同じくして様子が変わってきた。

 

掛かってくる電話に出ると妙に説教臭い・・・。上から目線な態度を感じるようになった。

「お前の為を思って」とか、「心配しているんだぞ」とかいう言葉が飛び出してくる。

しかし、本心からそう思っていないことは簡単にわかる気がするが、どうだろう?

何故なら彼の言うこと全て「月並みな事」ネットで調べれば数秒で出てくるようなことしか言わない。

それどころかネットの記事に取り上げられれば、嫌と言う程言われている様式とでも言えばいいのか・・・。

「将来どうするんだ?」「親のことはどうするんだ?」「なんでもいいからやってみればいいじゃないか」「我慢が大切だ」等々。

本当にいつもこんな感じだった。

 

詰まる所、こんな想像力に貧しい意見しかでず、こちらの話もロクに聞こうとしない様子を見ると、こちらに対して特別心配はしていないし、聞いたり調べたりする気も無く、関心も無いのであろう。

「本当に」心配しているのなら、もっと違った、何というか固有の意見が出る筈だ。

何かしらの行動があってもいいかもしれない。

ダークソウルで例えると、「心配しているんだからな」という大盾を構え、槍でチクチク刺してくるよなものである。あれは自分が悪者にならない為の正当性を持って言うための盾だ。戦技はこちらの言葉を封じるだ。

いいかい?安易に心配しているだとか、お前の為を思ってとか言う連中を信用してはいけない!

自分は本当にその人の事を思ったり、心配した時にしか言わない事にしている。

そうすると言葉の重みが違ってくるはずだし、信用もついてくるだろう。

 

かつてはダメ人間同士仲良くやっていた友人のような存在が、いつしか奢り高ぶり、上から目線の説教をかまし、納得する意見以外は聞き入れない天狗様に変わり果てていた。

それまでどん底にいたのに、急にトントン拍子に駆け上がっていったのが、いけなかったんじゃないだろうか。

親にも説教していたと母からも聞いたしなぁ。

立場が違えば自分がそうなっていたかもしれないと考えると、恐ろしいことである。一社会人としてはともかく、コミュニケーションであれはダメだろう・・・。

 

世間で評価されるであろうものを一通り手に入れ、それが無いものを見下すのは楽しいことなんだろうか。優越感でも覚えるんだろうか。

それもいいけどよぉ、人のことを見下し、ないがしろにしてると、その内誰も寄り付かなくなるぞぉ・・・。

いつ、足元をすくわれることになるのかは誰にもわからない。

 

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