以前就活デイケアに行ってスタッフと話した時に「童話って読む?けっこう穿ったことが書いてあって、大人が読んでも楽しめるんだよ」と言われて思い出した本があった。
読んでみたいんだけど、図書館の童話コーナーに行くのは抵抗がある・・・。
というわけで中古で購入し読んでみた。
スペインにフェルジナンドという牛がいて、彼は他の牛とは違って、一人草の上に座って一人、花の匂いを嗅いでいるのが好きな牛だった。
ある時母親がいつも一人でいることを心配して声を掛ける「どうしてお前は他の子と一緒に、飛んだり跳ねたりして遊ばないの?」と。
それに対して彼は「僕はこうして、一人花の匂いを嗅いでいるほうが好きなんです」と答える。
それを聞いて母親は寂しがっていないことがわかり、彼の好きなようにさせてあげることを決める。
月日が経ち、フェルジナンドは一番大きく、たくましく成長した。
他の牛たちが、角でつつき合ったり、頭をぶつけ合っていく内に闘牛に出ることを意識し始める。
けれども、フェルジナンドは相変わらず、一人静かに花の匂いを嗅いでいるのが好きだった。
そんな折、5人の男たちが現れ、闘牛に出場させる牛を選びにくる。
フェルジナンドは自分が連れていかれる事なんて、あるはずがないと思っていたのだが・・・。
一通り読み終えて思うのは、羨望するのはこうなりたくてもなれない現実があるからだとい気がする。
人から言われたり、そうでなくとも他人と比べたりして「このままではいけない」という感じが現れるし、他者の承認なくして、自分の中だけで完結することなんて、やっぱり無いように思う。
いくら自分がこれでいい、これが正しいと信じていても、会う人全員から否定、批判されたら正気ではいられないでしょう。