人嫌いには大きく分けて二種類あるように思う。
一つは単純に人がストレスである場合や危害を加えてくる場合。これに関しては特に語ることはないでしょう。
もう一つは自己愛からくる場合。
どういうことか。他人と比べて自分は劣っている。認めたくはないが、他者と比べると認めざるを得ない。
そこで意識的、無意識的に相手を嫌うことにした。嫌うことをして、その限りにおいては相手より優位に立てるのだ。
自分は劣っている。取柄なんか無い。そう思っているはずなのにどこかで「こいつより、あいつより、優れている所がある(はずだ)!」そんな風に考える。
何故そうなるのか。これまで一度も競争において他人を打ち負かせた経験がないからだ。下に見られ続けてきた。つまり自信が欠落しているのだ。
といって、何事かを一生懸命努力することは基本的に無い。そこまで打ち込めるものが見つからない。悔しさをバネにはできそうにない。
こうして人を見ては常に劣等意識に苛まれる陰険な人間が誕生する。
ああ、それを認めざるを得ないのはなんとつらいことだろうか。