一人舞台

落ちてしまいそうな自分を、どうにかこうにか支えている。

落ちてしまいそうな自分を、どうにかこうにか支えている。

以前、変身を読んだ時は面白かった(短さも良かった)ので、他のも読んでみようと、図書館に行ったとき「城」が目についた。

カフカの最大の長編とのことで、変身の四倍くらいの厚さがあるけど、まあなんとか読めるだろうと、高をくくって借りて読んでみた。

 

測量士として城に招かれた主人公K。しかし城からの連絡は無く、城は彼方に見えているのにそこへどうしてもたどりつくことができない。おまけに村の住民は部外者のKに対して辛辣である。それでも彼はへこたれることなく、村の住民と正面からぶつかったり、生活への妥協から学校の小間使いをしながら、測量の仕事を目指す。

 

こんな調子でただひたすら村民やその他の人たちとのやり取り、あるいは独り言?が延々続いていく作品だった。

感動的な展開、衝撃的な展開、謎が謎を呼び、からの伏線を回収し「そういうことだったのか!」という展開、感じ方は人それぞれですが、個人的には一切なかったように思う。

本当にただひたすら周りから疎まれつつも、何故か平気なKという展開だけだったような。

 

元々物語を追っていく小説は苦手で、読んでいる最中にも段々集中力が途切れて、確かに文字を追ってはいるのだが、頭には入ってこず、読んだ後に「あれ?どういう話だったっけ?」と考えることが多い。

だから、話が進むと前の展開をはっきり覚えていないので、話についていけなくなってしまうのだ。なにしろ城はあまりに単調だったので、自分との厳しい戦いだった。

2週間では読めなかったので、もう2週間延長してもらってようやく読み終えた具合だった。

 

しかも未完の話なので、話の途中で終わったじゃないか・・・。事前に知ってはいましたが、本という形で世に出ているわけですから最低限綺麗にまとまっていると思っていたのですが・・・。

よって城とは一体何だったのか?Kは結局測量の仕事につけたのか?何故あんな扱いを受けてまで、彼は城に拘ったのか?そもそもKとは何者なのか?

一切明確な答えはありませんでした。故にいろんな解釈があり、考察も盛んに行われているというので、敢えてそのようにしてあるとは思いますが。

ゲームで言うと、フロムソフトウェアみたいな。

 

スマホ一つで無限の娯楽が手に入る現代において、これを読み切るのは修行に近いものがあると思う。

読み終わっても明確な答えは与えられず、話も途中で終わってしまう。

しかし!それでも!というチャレンジャーな方がいましたら、どうでしょうか? 

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